58: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)12:33:02 ID:CW.lw.L1
父は、私が小学6年までは穏やかな人だったけど、リストラされてから鬱憤を家族に向けるようになり、あっという間にDV父となった。

母と私と弟とで実家に逃げたが、追いかけてきて暴れたから、親戚の家を転々とし、県外に逃げ、それでも父はあらゆる手を使って追ってきた。
シェルターは『一杯で入れない』と言われ、『空くまで待機して』と言われたが、待機している間に父は突撃してくるし、父が来るから外に出れず母は働けず、私たちも学校どころじゃなく、
本当に『逃げる』『死なない』だけが目的の生活を数年過ごした。
『生きる』じゃなく『死なない』が目標だった。

ニュースで見た虐待死に、DV父のもとに母子が戻ってしまい子どもが殺された事件があって、皆が母親を『なぜ戻った』『共犯だ』と叩いていたけど、私は叩けなかった。
働けず外も出られず襲撃に怯えるだけの生活を毎日送ってると心が擦り減っていくんだよね。
『死なない』だけが目標になって、最終的に『子供を餓死させるくらいなら』と戻ってしまう。
私達も充分あり得た未来だと思う。

でも運がいいことに、私達一家の逃亡は三年で終わった。




なんでかというと、父はずっと私と弟の親権を求めて母を追っていたんだけど、
私が15歳を超えたと知ったらピタっとやめたから。
なぜか弟の親権を求めるのもやめた。

別に私の誕生日を覚えていてその日きっかりにやめたわけじゃなく、母方祖父母に
「子どもの誕生日も覚えてないくせに!
あの子らがいくつになったか言ってみろ!」

と言われ、父は12か13か、とにかく見当違いな歳を言ったらしい。
祖父母が
「上の子は15歳になった」
と言うと、父はギョっとした顔になって帰ったそうだ。

その日からいやがらせと襲撃がピタっと止んだ。
でも信用できなくてそれから二回引っ越して、丸一年経ったくらいでようやく
(もう来ないんじゃない?)(来ないかも)
と思えた。

今思うとなんで15歳が父のリミットだったのかよくわからない。
『もう子供じゃないから言いくるめられない』と思ったのかな?
それも不明。
父とは父実家も含め完全に縁を切ってるから、向こうが今何してるのかカケラも知らない。

私と弟は引っ越し先で行政を頼って、就学できなかった子ども用の教育を受けさせてもらえるプログラムというのをNPOで受けた。
おかげさまで人より数年遅れたけど、何とか標準よりやや落ちる程度の学歴にはなれた。


最近やっとこの話を他人に話せるようになって、恋人に話したらその『15歳になった途端父が粘着をやめた』っていう点にすごく驚かれ、それまで私は深く考えてなかったんですが、
(そういえば変な話だった)
と思い、書き込んでみました。



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