276: 名無しさん@おーぷん 20/09/23(水)11:53:23 ID:f0.zk.L1
宗教的な話もあるが、5年前、娘が
「結婚する」
と報告しにきてくれた。
反抗期が酷く、高校から寮に入り、寮が閉まる時や義父の葬儀などでしか帰ってこなかったので、
(私達親のことが嫌いなんだろうなぁ)
とは思っていたから、
「結婚する、これ以上かかわるな。式には来るな」
と言われた時は何か納得してしまった。
他の娘や息子達は怒っていたが、
「まあいいよ」
と言って、お祝いのお金だけを渡して事実上縁切りした。

けど、去年電話が一本あって、出たら娘の旦那と名乗る人だった。
「会って話がしたい」
と言われ、旦那と相談した結果、場所を指定して外で会った。
優しそうで誠実そうで、
(娘は素敵な旦那さんと出会えたんだな)
と思えて親心として安心した。
娘旦那は、
「妻(娘)から『両親(私たち)に恐怖に陥れられた』と聞いている」
と言っており、最初は身構えていた。
が、話しているうちに徐々に力も抜けて話してくれた。




今回『会って話したい』というのは…。
「妻が初期だが癌になり、『手術で治るだろう』と言われているが、癌と知ってからの精神の不安定さが酷く、毎日
『死にたくない、死ぬのが怖い』
と怯えている」
とのこと。
「その恐怖の中で
『両親に連れて行ってもらった場所に行き、お祈りしたい』
って泣き叫ぶ」
とのこと。
娘旦那がその場所を聞いても娘はわからないようで、今回、私達に連絡してきたとのことだった。

いくつかキーワードを聞き、その場所がわかった。
有名な即身仏のあるお寺だった。
別に凄く宗教を信仰しているわけでもないが、お寺の雰囲気が好きで、たまたま有名なお寺に即身仏っていうのがあり、見に行ったことがあった。
そういえば、娘は『即身仏=日本のミイラのようなもの』と伝えたら『見たい見たい』とはしゃぎ、実際見たらショッキングだったようで、その日の晩は
「怖くて眠れない」
と泣いていた。

その話をすると、娘旦那に泣きながら
「ありがとうございます」
と感謝された。
1週間後くらいに娘旦那から
「無事に行くことができました」
と再び感謝の電話があった。
娘自身も落ち着き、手術に挑めたとのことだった。

無事に手術も終わり、転移も今のところなく、娘は普段の生活を取り戻し。
先日、5年ぶりに娘に会うことがあった。
その時に話してくれたのだが、
娘は家族旅行がきっかけで死に対する恐怖が生まれたらしい。

今思えば私たちも悪かったんだろうけど、20年ほど前に御朱印集めにハマってて、しょっちゅう出かけては、寺巡りをしていたんだよね。
上の息子とか特に和物が好きで、城とか神社も大好きで、私たちの趣味に子供を合わせていた形。
たまたま他の子供達が歴史に興味を持っていたから良かったものの、娘からすると子供なのに寺の面白さなんて無いし、静かだったり線香の香りやお経は葬式のイメージがあって怖く、墓もあるし大仏も観音様も全て不気味に見えたんだろう。

その1番大きなきっかけが、その即身仏。
あの時、娘は『死ぬ』ってのがとてつもなく恐ろしく感じてしまったようで、癌と知った時は怖くて仕方なく、
(もう1度、あの即身仏を見て落ち着こう。ちゃんと病と向き合おう)
となったらしい。
実際20年近くぶりに見に行ったら、やっぱり怖いけど、不思議と落ち着く何かがあったらしい。

「こんなに怖く、怯えてしまうのは親のせいだってずっと思ってた…。
たったそれだけで絶縁とか言ってごめん」

と謝られたけど、私達も子供の歴史の勉強になると良かれと思い連れて行ってトラウマを与えてしまったこと、そしてトラウマを抱えていたことを知らなかったことについて、謝罪をした。

今だに娘は死ぬことに関して怖くなって度々過呼吸を起こしたりするようだが、私達と繋がりができて、それも落ち着いてきたと。
「ようやく親子として再出発できるね」
と娘に言われて嬉しかった。

下手な文章でごめんね。



即身LOVE裸仏 1巻