475: 名無しさん@おーぷん 20/09/16(水)11:09:03 ID:Rs.fr.L1
妊娠して母子手帳が配布されたので昔の事を思い出した。

小学生の頃に授業で母子手帳が必要になって、学校に持っていったことがあった。
教室に置いていたら、いつの間にかなくなっていた。
探しても見つからなかった。
先生も数人で探してくれたが、結局見つからず。
母に物凄く怒られた。
私は幼い頃に持病があり、その事を母子手帳にメモしていて、母にとって文字通り私の成長の記憶だった。

大学生の頃に実家から電話があった。
小学校の同級生だったAから
「『会って話したいことがある』と伝えてほしい」
と言われたようだ。
Aは人の事を馬鹿にしていた男子で、嫌いだった。
それを断っていたら、小学校の同級生で今も親交のあるBから
「Aが『謝りたいことがある』と言うから会ってくれないか」
と連絡があった。

それで大学の友人に付いてきてもらうことにして、次の連休に会うことを約束し、待ち合わせしていた店に入った。
案内された席にはAとBと、見知らぬ女性がいた。
見知らぬ女性はAの嫁で、
「今回の話の件で同席したい」
とのことだった。

A嫁と軽くお互いに自己紹介をしたら、『今妊娠中だ』と告げられた。
私は社交辞令で
「おめでとうございます」
と言ったが、A嫁は少し引いていた。
友人に言わせるとその時、私は
「無表情でそっけない挨拶だった」
らしい。




最初は世間話程度だったけど、BとA嫁にせっつかれてAがいきなり謝ってきた。
小学生の頃に私の母子手帳を盗んだのはAだった。
片親で父方に育てられたAは母子手帳がなく(A母が持っていったらしい)、当時イジメていた(Aは『からかっていただけ』と言う認識だった)私の手帳を盗んで、
「後で返そうと思っていた」
と。
だが
「(私)が『なくなった』と大騒ぎ(そりゃ当たり前)したため言うに言えなかった」
んだそうだ。
私の中でなんとなく、
(やっぱりそうだったんだ。
私がなくしたんじゃなくてAが嫌がらせで盗んだんだ)

と腑に落ちた感があった。

476: 名無しさん@おーぷん 20/09/16(水)11:09:30 ID:Rs.fr.L1
妊娠したA嫁が母子手帳を大事にしていた所に、Aが
「小学生の頃に女子の母子手帳を盗んだ」
という話をしたらA嫁に
「信じらんない」
と責められ、A嫁親からも責められ、今回、私に謝罪することになったそうだ。

「私(の母)の母子手帳は結局どうなったの?」
と聞いたら、Aは
「言えない」
と言ってきた。
A嫁に
「言えないじゃないでしょ!」
と切れられ、Aは小声で
「捨てた」
と言って、それっきり黙り込んでしまった。

しゃべらず話を聞いていたBが大きくため息をついて、
『(私)に今までの件で謝りたい』って言ったから仲介したってのに爆弾放り込んでんじゃねーよ。
母子手帳の事件、聞いてねーよ。
ホントふざけんな」

と言い、私に
「(私)はこいつ(A)どうしたい。
許せるか?」

と聞いてきたので、
「一生許さない。
だからAと関わりたくなかった。
Bがどうしてもと言うから会ったのに」

とBに向かって言った。
Bは
「A。俺はこの件降りるしもう関係ない。
もう助けない」

とAに吐き捨てて、
「(私)と(友人)さん、こんなことに付き合わせてしまってすまない。
こいつ(A)といるとよくないだろう」
「(A嫁)さん、手助けできるのはここまでだ」
と席を立って私たちを連れて店を出た。

店の外にA嫁も出てきて
「(私)さんはAに『復讐したい』と思いますか」
と聞いてきた。
「私は関わりたくないのが一番、関わってくるならそれなりの事をする」
と言ったら、A嫁が
「この子に復讐するとか思ってないですよね」
とお腹を撫で涙ながら聞いてきた。
こちらはぎょっとしつつ、
「本人じゃなく子供に復讐なんてことしませんよ」
と返しておいた。
A嫁は何度も頭を下げ、私を見送った。

帰り道にBにA嫁の事を聞いたら、
「A嫁は子供の頃からイジメられていて、助けたのがAだった。
イジメの原因が親の因果が子に巡るタイプらしいが、詳しくは聞いていない。
だから、『生まれてくる我が子も同じ目にあったらどうしよう』と思ったらしい」

と。

あれから地元に帰ってもAに会うこともなかったし、Bと連絡取りあってもAの事が話題になることもなかった。



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