761: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)09:58:33 ID:dUw
夫は二人兄弟の次男で、夫実家は料理店を経営している。

料理店は義父が始めた店で、義兄が
「跡を継ぐ」
と言って一緒に働いていたが、義兄嫁さんと義母の折り合いが良くなかったことから揉めた時期があり、その後、義兄が
「やっぱり料理人は性に合わない」
と言い出して店を辞め、隣市に引っ越していった。
その後はサラリーマンをやっている様子で、わだかまりがあるのか、数年に1度元旦に顔を出す程度になっている。

店を辞めるまでに至った経緯は、私も夫も詳しくは知らない。
以前、夫が聞いた事があるが、その時に
「店を持つと言うことは料理だけしてればいいってことじゃない」
とか
「あいつには接客は無理」
とか言ってたが、それ以上のことは言わなかった。
まぁ義父も頑固な人だし、
(似たもの同士がぶつかった感じかな)
と思ってた。
夫は奨学金で大学に行って理系の仕事に就いていたので、義父はそれ以来もう『自分の代だけの店』と割り切ることにしていたようだ。




が、それからずいぶん経って義父母も70近くになり、『いつ終わらせるか、いっそ誰かに譲るか』と悩んでいる様子が垣間見えるようになった頃。
夫から突然
「俺が『跡を継ぎたい』って言ったらどう思う?」
って聞かれた。
夫、あと少しで40歳になる年で、会社でもそこそこ順調に出世もしてたけど、義兄が辞めたころから漠然と考えていたらしい。

私は友達が経営してる雑貨屋で働いてて接客は嫌いじゃなかったから、夫に相談されたとき、
(やるなら一緒にやりたい)
と思った。
息子にも話したら大賛成してくれた。
それで義父母に話したところ、泣いて喜んでくれた。
本当に泣いてた。
(あー本当は店を閉めたくなかったんだな…)
と思ったらもらい泣きしてしまった。

それから一緒に調理師専門学校に通って、諸々の必要な資格を取って、夫は義父から猛特訓を受け、私は義母から料理以外のことも色々。
途中、一度だけ義兄が帰ってきたことがあって、その時に夫が話をしたら
「物好きだな」
と言われたらしい。

762: 名無しさん@おーぷん 20/05/30(土)09:58:47 ID:dUw
常連さんからも歓迎されて、更に順調にお客さんも増えていった。
ローカル番組で紹介されたこともあって、その頃には忙しくて息子も手伝ってた。

そして息子が夫と一緒に『本格的にやりたい』って料理の専門学校への進学を表明した頃、
義兄が離婚した。
そして
「店をもう一度やりたい」
って言いだした。
義父母は断った。
「出て行った時にお前が言った言葉は取り消せない言葉だ」
って。

正直、いまさら義兄と一緒にやるのは勘弁してほしいから断ってくれて助かったんだけど、
その取り消せない言葉がどんな言葉か気になってしゃーないw
夫が義父母に聞いたけど
「思い出したくもない」
と教えてもらえなかった。
ただ今後の事もあるので、店を夫に譲ることや
「あれやこれやちゃんと正式な遺言を残しておくから心配しなくていい」
と言われたのはホッとした。



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