960: 名無しさん@おーぷん 19/11/23(土)23:44:58 ID:4T.9r.L1
友達から久しぶりに連絡があった。
「遊びにおいでよ!」
と言う。
「いいねえ、(場所は)○○だっけ」
と言うと
「引っ越したの。今は××。
詳しいことは会った時に話す」

ということで、ケーキ持って新居にうかがった。

友達はテキパキシャキシャキした性格の美人で、ぐったりのんべんだらりの私と正反対。
数年前に結婚して、旦那さんの希望で専業主婦になって、そういう性格だから家の中もピッカピカで、料理も上手。

××にある新居は、中古だけどしっかりしたつくりのマンション。
○○に住んでいたころは一戸建てだけど借家だったから、
(マイホームを買ったのね、お披露目ってわけね)
と思った。




友達が
「待ってたよー!
見て見て夢のマイホーム!」

と部屋を案内してくれた。
寝室まで見せてくれたんだけど、高級ホテルの部屋みたいに機能的で清潔な寝室に、
ベッドが一つしかない。
不思議に思って
「あれ、旦那さんとは寝室は別なの?」
と訊いてみると、友達はこともなげに
「あー、別れた別れた。
それでふんだくった慰謝料で買ったのがここ」

「はいっ!?」

961: 名無しさん@おーぷん 19/11/23(土)23:45:53 ID:4T.9r.L1
友達が離婚した経緯は、こういう言い方も何だけどよくある話で、旦那さんがフリンして、フリン相手と二人で泣き落されて……というもの。
ただ、友達は旦那さんの両親(友達からすると舅姑)から
「ぼんくら息子にしっかり者の美人嫁が来てくれた」
ととても気に入られていたので、破格の慰謝料を取れたらしい(金額は知らない)。

友達が離婚の手続きが終わって、弁護士事務所を出て電車に乗って自分の実家(もう○○の借家は引き払っていた)に帰る途中、電車の窓からある建物が見えた。
「その瞬間、ビビビッときたのよ!
恋に落ちるみたいに!」


962: 名無しさん@おーぷん 19/11/23(土)23:47:13 ID:4T.9r.L1
すぐに次の駅で電車を降り、その建物を探して道を戻り、分譲マンションらしいと見当をつけ、周囲の不動産屋をあたって空き部屋があることを知るとすぐに案内してもらい、一見して
「思ったとおりの部屋だった!
建物のつくりもよさそう!」

とその場で仮契約した。
ここまで、電車の窓からその建物が見えてから、2時間くらいしかたってない。

そして慰謝料が振り込まれると、そのままマンションの代金として支払った。
慰謝料が友達の口座に存在したのは、その1日だけ。
「だってあぶく銭じゃない。
ぱっと使わなきゃ」

と友達は言うけど、グズな私にはとても真似できないというか思いつかないから衝撃だった。

「さーて、さすがに慰謝料でマンションの代金全額はカバーできなかったから、これからどんどん働かなきゃねえ」
友達は専業主婦の空白期間があったものの、じきに仕事を見つけて働きだした。

そして理由は知らないがフリン相手に逃げられたらしい元旦那が私の家に電話かけてきて、
「(友達)は今どこにいるの?
(友達)の実家に訊いても教えてもらえないんだけど。
(私)さんが家に(友達)を隠してるんじゃない?」

とほざいたので笑った。

終わりです。



No Way Back
NO Way BACK