811: 名無しさん@おーぷん 19/07/16(火)08:44:26 ID:6ii
義父は貧乏なわけでもないのにお金への執着の強い人で、性格的にも横暴なところがあった。
専業主婦の義母は、
(何でそんなに…)
と思うほど義父の顔色ばかり窺ってる人で、当然逆らうなんてことも出来ない。
私たち夫婦はそんな義実家から車で15分ぐらいの所に住んでいた。

ある日のこと。
義父から
「かーさん(義母)が腰を打って動けないから、なんか買ってきてくれ」
って電話があった。
行ってみたら義母が布団敷いて横になってて、どうしたのか聞いたら、
「縁側から落ちて派手に尻もちついた」
んだって。
それが2日前のことなんだけど
「痛みが引かない」
って言うから
「病院行かなきゃダメじゃん!」
って言ったら、
「おとうさん(義父)『そんなもん湿布貼っときゃ治る』って言って病院連れてってくれない」
んだと。
それ聞いてビックリして
「だって骨でも折ってたらどうするの!レントゲン撮ってもらってなんともなきゃそれでいいし、でももし折れてたりしたら大変じゃん!病院行こう!!」
って言っても
「でもおとうさんが…」
って言うのね。

それで義父に
「私、お義母さん病院連れて行ってきます!」
って言ったんだけど、
「ただの打ち身だ。湿布貼っときゃええ!」
って言われた。
「打ち身なら打ち身でいいけど、まだこんなに痛がってるって普通じゃないよ」
って言ったら
「うるさい!」
って怒鳴られた。

それでも無理矢理連れて行こうとしたら、義母は
「でもおとうさんが…」
ってまだ言ってんの。
「私が連れていくから!」
って言っても
「勝手なことしたらおとうさんに叱られる」
だって。

もう脱力しちゃったわ。
「だったらもういちいち呼び出さないでくださいね!」
って言って(私も大概冷たいがw)帰ってきた。




それから半月ぐらい経って義父から又電話。
「悪いがちょっとかーさんと話してもらえんか」
って。
(めんどくせーな)
と思いながらも行ってみたら、
義母が歯を食いしばってるの。
義父に何があったのか聞いたら、最近はずいぶん痛みも治まってたらしいけど、
「今日トイレに行こうとして転んでそれからこうなった」
んだって。
その場で救急車呼んで病院に連れて行った。
そして即入院。

義母は腰椎を2か所圧迫骨折してて、うち一ヶ所は潰れたまま固まりかかってたらしい。
半月前のアレは圧迫骨折だった模様。
結局それから3ヶ月入院して義母は車椅子になり、入院中に夫が義母に
「退院したら自宅に戻るか施設で暮らすかどっちがいいか」
と聞いた。
うちはエレベーターの無い3階建マンションの3階で車椅子での生活は無理だったから引き取りようがないから。

で、義母は施設を選んだ。
入院中に介護認定を申請して老健探して、平行して義父を説得した。
義父はとにかく帰宅させたかったようだけど、義父がちゃんと介助するとは思えなかったし、義実家の玄関の段差半端ないし、トイレの入口も狭いし、車椅子の生活は無理だしって、色んな理由を並べた。
義父は納得したわけではなかったけど、しぶしぶ了解した。


812: 名無しさん@おーぷん 19/07/16(火)08:44:42 ID:6ii
一人暮らしになった義父は家政婦を雇って暮らしていたけど、一年ぐらい経って、家政婦さんが出勤してきた時には息を引き取っていた。
急性心筋梗塞。
布団の中で、眠ってるみたいに。

義父が死んだ途端、義母がはっちゃけた。
「(義実家)を建て直して同居したい」
と。
勝手に老健の友達に送別会してもらって(談話室でのお茶会だけど)退所する気満々だった。

でも夫はスルーした。
この時、夫が話してくれたことが私が感じてたこととまさに同じことだった。

義父は確かに横暴だった。
だけど義母もおかしい。
義父の顔色ばかり窺ってどんな理不尽なことにも黙って傅いて、その裏で子供のころから夫には父親の愚痴ばかりこぼしていたらしい。
夫は
「ずっと聞きたくなかった」
んだそうだ。
(そんなに嫌なら離婚でもなんでもすればいい。自分からは何も動かない癖に、父親だけが悪いんじゃない)
そう思っていたそうだ。

私も同じように思っていた。
『義父が病院に連れて行ってくれない』って、
そんなの自分でタクシー呼んで行けばいいでしょ。
湿布でどうにかなる痛みかどうかなんて、義母にしか分からないんだから。
せめて『私が連れていく』と言った時に応じてくれていれば、また違ってたかも知れない。
義母が車椅子になったのは義父だけのせいじゃないと私は思っている。
それでいて老健に入ってからは、ひどく滑らかに口を開き、私に義父の悪口ばかり言っていた義母。
正直ウンザリしてた。
義母と同居しても上手くやっていけるとは思えない。
実の息子である夫ですらそう思ってるんだから。

義母は老健で4年ほど暮らした後、肺炎で亡くなった。
お葬式の時、夫が
「大っぴらに言えることじゃないけど…ホッとした」
と言っていた。
夫は子供の頃から両親の仲の良い様子を見た事ないらしい。
私の両親はアホみたいに仲良しなんだが、
「それがとても羨ましい」
んだそうだ。
ネットでよく毒親毒親と話に聞くが、なんか胸が痛くなった。

夫は私の話をよく聞いてくれる。
私の両親のことも大事にしてくれる。
夫が反面教師にする性格の人で良かった。
もっともっと夫を大事にしていこうと思う。



それが大事