275: 名無しさん@おーぷん 19/07/13(土)12:05:33 ID:jbI.hw.xt
父はDV野郎でギャンブル大好き多重債務者、母は『女は耐えるもの』信者。
余ってる又イトコ同士の愛のない結婚だったのに、母は
「女は耐えるもの」
「わかってくれる人が一人でもいればいい」

と結婚生活にしがみつき、父がお金を入れないで暴れるから家はボロボロ、母のパートと祖母の援助で何とか暮らしてる状態だった。
祖母の妹のお嫁さん(※編注:祖母の妹の息子の奥さん=母親の従兄弟の奥さん?)というほぼ他人が、見かねて弁護士を紹介してくれた。

弁護士さんは母と同年代で、スーツを着て、当たりまえだけど弁護士バッジを付けていた。
それがまず衝撃だった。
はずかしながら母と同年代でキリっとスーツを着てる女性を、学校の先生以外で見たことなかった。
田舎だから先生でもスーツ着てる女性少なかったし。




弁護士の先生はまず母から話を聞いた。
中学生だった私も同席した。
母の話は恥ずかしいくらいグダグダで説明が下手でわかりにくかった。
なのに弁護士の先生はスパっと
「これはこういうことですね」
「こう思ったんですね」

とスムーズに整理していく。

先生が
「どうしたいですか」
と聞くと母はまたグダグダ。
横から私が
「うちはもう生活していけません。
共倒れになりたくない。
父を切り捨てなきゃいけないならそうする」

と言った。
母は泣いた。
「子供にこんなことを言わせてしまって母親失格~」
またグダグダ。
でも弁護士の先生は動じず、
「全部は選べませんよ」
とスパっ。
結局、母は
「(父)より(私)を取る」
と言い、離婚することになった。

そこからはサクサク進んだ。
私は父と弁護士の先生が話しているのを見て
「そうか、父みたいな人とはこう話せばいいんだ」
とウロコが目からボロボロ落ちた。
父が論点をずらすたび、
「今その話はしてません」
泣き落としても
「もういいですか?はい、話を戻します」
怒鳴ってもシラーっとして
「誰を脅してるかわかってます?」
私のまわりの四十代の女性で、男性にこんな態度が取れる人はいなかった。
みんな怒鳴られて殴られても、ヘラヘラして
「男はしょうがないねえ」
これだけ。

父は脅しも泣き落としもきかないと知って逃げる作戦に出たが、結局 “慰謝料減額” で手を打ち、母はほんの少しお金をもらって離婚した。
離婚後は母の実家に戻り、弁護士の先生を世話してくれた、祖母の妹のお嫁さんの手を借りながら暮らした。
母のお給料を父に使われなくなったから生活が楽になり、高校に問題なく行けた。

私はあの弁護士さんの存在がとにかく衝撃で、さすがに司法試験は無理だったけど、早めに士業を目指して勉強したおかげで夢がかなった。
人生を一変させてくれた衝撃でした。



選択のトキ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)