315: 名無しさん@おーぷん 2018/10/29(月)23:24:43 ID:5vR
趣味でハンドクラフトをしていた友人Aが、結婚を機に引っ越すことになり、諸事情によりハンクラをやめることになった。
大量の資材と道具類の処分に困ったらしく、当時別分野のハンクラをしてた私に
「格安で買い取ってほしい」
と連絡がきた。

たとえるなら、『レザークラフトをやってる人にビーズ細工の資材を引き取れ』というくらい無茶苦茶な話ではあったが、Aが困っているようだったので引き受けた。
Aは私以外に友達がいないらしく、
「(私)が断ったら捨てるしかない」
と泣かれたのでしかたなくというのが本音。




資材一式を受け取ってリストアップして気づいたが、格安といっても定価×0.9くらい。
しかもほとんどが開封済みでかなり減っているうえに、壊れている道具もあった。
Aの転居で物理的に距離も離れるし、
(餞別代わりだ)
と思って何も言わなかった。

珍しい資材については、他のハンクラ仲間Bが、私がAから引き取ったときの金額そのままで引き取っていってくれた。
余ったもののうち、まともな道具と資材だけを残して、使えないものは処分した。
手元にあるものをどうしようかと悩んでいたら、Bが
「教えてあげるから始めてみたらどう」
と声をかけてくれた。

私はそういう手仕事のようなものをやったことがなかったが、Bと一緒にあーでもないこーでもないとやるのはとても楽しかった。
Bは狭い社宅暮らしで別に作業部屋を借りていたので、
「どうせならうちの空いてる部屋を使えば?」
と誘って、うちの空き部屋を物置と作業部屋にした。
半年もすると人に見せられる程度になり、1年たつ前にBと一緒にイベントに出展した。
BのSNSには根強いファンが多く、Bのおまけではあるが私の作品も売れた。
イベントに何度か出展するうちに私のSNSにもフォロワが増えて、リピーターも出てくるようになった。

その頃にあるサイトで特集記事を組んでいただき、Bと一緒にインタビューを受けた。
Bのほうが当然圧倒的に売れっ子なのだが、Bはとても優しい子で私のほうをずいぶんと持ち上げてくれた。

その記事を見たAから連絡があった。
転居してから2年以上たっていて、初めてのことで何かと思ったら
「私のおかげで儲けられるようになったんだから多少還元しろ(意訳」
とのこと。
Aの理論でいえば、
『Aは(私)の趣味の師匠であり、今(私)があるのはすべてAのおかげ。だから(私)はAに儲けを献上しなければならない』
らしい。

返事をせずにそっとブロックしたのでその後はわからないが、私が儲けを献上しなければならないのはどう考えてもBのほうだw
ただB本人はお礼を受け取ってくれないし、家賃浮いたからと資材を分けてくれたり、私の作品をSNSで宣伝したりしてもくれる…。

同じ人間のはずなのに、どうしてこうも差が出るんだろうな。



NO(一酸化窒素)―宇宙から細胞まで