116: 名無しさん@おーぷん 2018/10/20(土)11:46:33 ID:fRU
近所にAさんというとても上品で優しい七十代の女性がいる。
誰に対しても親切なんで、
(素敵なお婆ちゃんだなぁ)
と思っていた。

でも、町内会や趣味の会でAさんを知る私の母は、
「いい人なんだけど、ちょっと神経が分からなくて怖い」
と言う。
「どういうこと?」
と聞いて、母が
「うまく説明できないけど」
と言いつつ出した例。




やはり近所のおばあちゃんでBさんという人が居るんだけど、このBさんは強烈にワガママでキツイ人。
一人息子が結婚した時に強引に同居させたんだけど、結局息子と嫁・孫に逃げられて、10年くらい完全に音信不通にされてしまっている。

そのBさんが最近ガンになり入院した。
旦那さん以外寄り付く人のないBさんのことを、優しいAさんはたびたび見舞っている。
そして、
「息子の連絡先がわからないから、入院のことも教えていない」
というBさんの話を聞いたAさんは一念発起。
近所に住む息子さんの同級生を周り、電話番号をゲット。
そしてAさん自らが息子に電話したそうだ。

あとでAさん自身が嘆いて言うには
「私、親子が和解する最後のチャンスだと思ったから必死に息子さんに『あなたのお母さんはもう長くないの』と説明したの。
息子さんもさすがに驚いていたけど私が、
『今は意地を張ってる場合じゃないのよ。
何があったかは聞かないけど、でも親子でしょ。
お母さんを見捨てたらきっと後悔するわよ。
ちょっと頭を下げて、最後の親孝行をしたら』

と言ったら急に気色ばんで、
『あなたに何がわかる!』
と言われて切られちゃった。
もうその電話番号も通じないの…」


うちの母の個人的な見解だけど、
「息子さんにBさんを見舞う気持ちがあったとしても、Aさんのその一言でその気持ちは消え、かえって反発したんじゃないかな」
と。
Aさんは昔からその調子で、本当に最後の一瞬の希望を善意の行動で消してしまう事が多いそうだ。
本当に純粋な善意なので、だれも文句言えないし、文句を言う自分の方が汚れていると感じるけど、でも母は、
「悪意ならわかるけど、善意だからこそ神経がわからない」
と言ってる




解 (集英社文庫)