90: 名無しさん@おーぷん 2017/02/27(月)07:55:55 ID:j9l
嘘つきのK島は
「アタシはいいんだけど~、××君が何て言うか~」
とまったく関係のない男子の名を挙げて反対しつつ、ただし前面には立たないようにしていた。
それに何度も巻き込まれて迷惑していたクラスの男子一同が、A原の発起で
『我々はK島と口を利きません』
と書かれた連判状に署名し教室に張り出す事態になった。

それから数日後、K島は退学した。
A原およびクラスの男子が原因ではなく、K島が妊娠したため。
K島+両親とカレシ(他校)+カレシの両親で話しあったが、その席でも嘘つきのK島が
「アタシは中絶してもいいんだけど~、T浜君が何て言うか~」
とカレシではない男の名を挙げたモンだから、カレシは激昂するわ両家の父親が
「そのT浜を呼べ!」
と叫ぶわで大騒ぎになった。
それで
「ともかく一度しっかり精神科に通わせるため退学になった」
と、クラスの女子から話が漏れ聞こえた。
それが学生時代のこと。




91: 名無しさん@おーぷん 2017/02/27(月)07:56:14 ID:j9l
この忙しい時期に同期の同僚のH川が事故って入院したので課を代表して見舞いに行ったら、
「着替えとゴルゴの単行本持ってきて」
と頼まれた。
鍵は借りたのでH川のアパートに行って1階に住んでいる大家に事情を話してから、2階のH川の部屋に入った。
俺も一人暮らしなのでつい習慣で、ドアに鍵をかけた。

それが正解だったようで、直後に隣の部屋のドアが開いて足音が聞こえ、
「H川さん、出てきて!」
と叫びながらこっちのドアを激しく叩かれた。
「H川はいませんよー」
と本当のことを答えて、とりあえずゴルゴを読むことにした。
(最近のゴルゴは、国名や人名をごまかしているのが地味に気になる。
文庫版では116巻収録の『涙するイエス』はやっぱり最高だなぁ)

とか何とか思いながら、ドアの外でまだ騒いでいる女の声を聞きつけて大家が来るのを待っていた。

1冊読み終わる前に来てくれたようで、とりあえずドアを叩かれるのは治まった。
H川の着替えと116巻を紙袋に入れてからドアを開けたら、
そこに倉島がいた。

嘘つきのK島は俺の腕をつかんで、その辺に控えていた知らない男の前に引っぱり出し
「この人がH川さん!」
と嘘を吐くので
「H川は4日前から入院してますよ」
と本当のことを伝えた。
男が
「じゃあアンタ誰だ?」
と言うので
「着替えを持ってきてくれと頼まれた同僚です」
と本当のことを伝え、大家も認めた。

この2人は隣の部屋に住んでいるT浜夫婦で、子供はいない。
3日前に
「H川に金を貸したせいで生活費がなくなった」
と妻(元K島)が言ったそうだが、
「以前もそんなことを言って生活費を使いこんでいたので、本人に確認しようと待っていたが、帰ってこないし妻も連絡先を知らないという。
恥を忍んで大家に事情を話して連絡を取ろうかと考えていたら…」

そこへ俺が来た、らしい。

あれだけクラスの男子全員に迷惑をかけたのに俺のことを覚えていない様子の元K島は、この期に及んで
「本当に、3日前にお金を貸したの!」
と嘘を重ねるので、俺は横から
「奥さんの名前は知りませんけど、嘘つきなのは知ってますよ」
と口添えした。
T浜(夫)は
「お騒がせしました」
と俺と大家に頭を下げて、騒ぐ妻を引きずり部屋に戻ったので、これ以上巻き込まれないように俺も逃げた。

H川に、嘘つきの隣妻と旧知とは教えずに事情を説明したら、
「あの奥さん、『家賃を引き落とそうとしたら残高が足りなかった』と大家さんに言われても、
『アタシは払ってもいいんだけど~、夫が何て言うか~』
って意味の判らないこと言ってたなぁ」
と教えてくれた。
何も治っていないようなので、二度とH川のアパートには近づかないようにする。



そんなとき なんていう?